映像アスペクトは、公開当時と同じ1.33:1。小津作品の中では数少ないカラー作品で、今回のリマスターについては、パッケージ裏に"This new digital transfer was created from 35mm low-contrast composite print." (35mm ローコントラスト・コンポジット・プリントからデジタルトランスファー済)とある。原色の強い当時のテクニカラーがさらに鮮やかになったマットな色調は、きれいすぎて最初のうちはかなり不自然に感じられるかもしれない。キズやゴミは最小限で、リマスター映像としては最高レベル。音声はモノラルだが全く問題ない。音量は非常に安定し、セリフもクリアーで耳障りな感じはいっさいない。英語字幕はON/OFFの切替可能、リージョンはオール。特典映像の収録はない。アメリカでこういった作品がDVD化されるのも、小津作品の評価の高さと、年代・国境を越えた人間的なおもしろさがこの作品に表現されているからであろう。実際、米国のレビューアーによる評価も高い。平凡な日本人の面白さを見事に描ききったこの作品、楽しめること間違いなしである。