The  Holiday (2006)(HD DVD-UK)
(ホリデイ）

作品データ
リージョン：ALL
制作： Universal
映像仕様： LBX
音声仕様： Dolby Digital 5.1 Surround Plus (English), Dolby Digital 5.1 Surround Plus (French), Dolby Digital 5.1 Surround Plus (Japanese)
作品時間： 138分
画面比率： 1.85:1
CC： Yes
字幕： English, Spanish, French, Japanese, Italian, German, Swedish, Danish, Finnish, Dutch, Norwegian, Portuguese

従来のDVDに代わる次世代DVDとして、2006年にHD DVD、Blu-rayの両ハイ・デフィニション・ディスクが登場、ホームシアターの楽しみ方も完全に変わろうとしている。ハイ・デフ盤は見違えるほどのハイ・クオリティで映画を楽しめるばかりか、米国盤ユーザーにとってはリージョン問題がなくなったことで選択肢が一気に広がって夢のような時代になった。（ハイ・デフ盤のリージョンについて詳しくはこちら。）(＊注1)
さらにハイ・デフ盤は従来のNTSC-PALの映像方式による壁も取り払い、リージョンによる地域制限を設けていないHD DVDならば、日本国内で販売されている再生機器で米国版のみならずヨーロッパ盤さえも鑑賞が可能という理想的な環境になりつつあるのだ。（Blu-rayの方は一部のリージョンオール盤を除いて基本的に日米はリージョンA、ヨーロッパはリージョンB限定となっているので要注意。ただし欧州ソニー・ピクチャーズ製の多くは例外でリージョン規制がないBlu-ray盤も発売されている）

ヨーロッパのハイ・デフ盤は、イギリス、フランス、ドイツ、スペインなどで発売が開始されているが、なかでも日本のユーザーにとって注目すべきなのが日本語音声と字幕が収録されているユニバーサルのHD DVDだ。UKで2006年11月に発売されたピーター・ジャクソン監督の「キング・コング」は、日本語音声と字幕が収録されて、米国盤HD DVDと同日発売された。

また2007年4月には日本で劇場公開が始まったばかりのヒット作、キャメロン・ディアス、ジュード・ロウ、ケイト・ウインスレット出演「ホリデイ」がやはり日本語音声・字幕収録で登場。一方、「ホリデイ」の米国ハイ・デフ盤はBlu-rayのみのリリースで、言語は英語、フランス語、スペイン語のみ。ソニー・ピクチャーズ製のため米国盤HD DVDでの発売の可能性は低い。

「ホリデイ」は、ロンドンの新聞記者アイリス(ケイト・ウィンスレット)とLAで映画予告編の制作会社を経営するアマンダ(キャメロン・ディアス)が、それぞれ恋に傷ついた心を癒すためホーム・エクスチェンジを取り決め、お互い自宅を交換しての休暇中に新たな恋をスタートさせるラブ・コメディ。監督は「ハート・オブ・ウーマン」「恋愛適齢期」のナンシー・マイヤーズ、相手役はジュード・ロウとジャック・ブラックという豪華な顔ぶれ。個々の俳優の魅力を引き出した演出が上手く、ロンドン郊外のこじんまりとした風景の中やLAのまぶしい太陽のもと、異国でのドラマチックな休暇を過ごした気分になれるリフレッシュ効果ありの一本だ。

UK盤HD DVDの映像はオリジナル劇場アスペクト1.85:1、1080pエンコード。英語、日本語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語音声はすべてドルビーデジタル5.1ch Plus。字幕は英語、日本語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、スウェーデン語、デンマーク語、フィンランド語、オランダ語、ノルウェー語の多言語仕様になっている。ディスクを再生するとまず言語選択メニュー画面が現れる。ずらりと並んだ各国語の中で一番上にリストされている「日本語」を選択すると、メニューを始めすべてのナビゲーション言語が日本語に変わるしくみ。もちろん日本語吹替・字幕ともに日本語訳にも全く不備はなく安心して楽しむことができる。

ユニバーサルのヨーロッパ盤HD DVDは、ほかにも以下のようなタイトルが各国で日本語音声・字幕収録で発売予定となっており、今後の傾向にも注目していきたい。(＊注2)

＜UK盤＞「スモーキン・エース／暗殺者がいっぱい」「狼男アメリカン」「ハルク」「バックドラフト」「ワイルド・スピード」「ワイルド・スピードＸ2」「マイアミ・バイス」「ハムナプトラ2／黄金のピラミッド」「Ray／レイ」「レッド・ドラゴン」「遊星からの物体X」
＜ドイツ盤＞ 「トゥモロー・ワールド」
＜フランス盤＞ 「アポロ13」「ＤＯＯＭ　ドゥーム」「ワイルド・スピードＸ2」「ジャーヘッド」「ボーン・スプレマシー」「セレニティー」「ヴァン・ヘルシング」
＜スペイン盤＞ 「ワイルド・スピード」「バックドラフト」「マイアミ・バイス」「ハムナプトラ」「ハムナプトラ2／黄金のピラミッド」

また、ドイツ盤では黒澤明監督の「乱」の発売予定があるほか、3月に発売された「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァ監督の「パフューム　ある人殺しの物語」はまだ米国ではDVDリリース予定も発表されていないタイトル。

リリース数が豊富で最新作が次々と発売になる米国ハイ・デフ盤、米国盤にはない特徴を持つヨーロッパ盤と、それぞれ内容に応じた楽しみ方を知り、より幅広いセレクションでハイ・デフ盤をエンジョイしていくのがお勧めだ。


(＊注1) HD DVD、Blu-rayディスクを再生するには、それぞれ専用機器が必要です。
(＊注2) 発売予定、商品仕様については予告なしに変更になる場合があります。

2007/05/08