デビット・フィンチャー監督がブラッド・ピットとケイト・ブランシェット主演でフィッツジェラルドの原作を基に映画化した「The Curious Case Of Benjamin Button」(ベンジャミン・バトン 数奇な人生)は、類い稀な人生を生きたひとりの人間を通じて限られた時を生きることの重みを描いた壮大なドラマ。幅広く年齢を演じた主演二人のメイクアップやCG効果も話題となり、第81回アカデミー賞では美術賞、視覚効果賞、メイクアップ賞を受賞した。
特典のドキュメンタリーの中で特殊効果監督のエリック・バルバ氏が人間の演技は「Holy Grail of the CG world」(CGの世界では至高の目標)と表現しているが、この数奇な物語を映像化するには多大な困難があったことは容易に想像がつく。Blu-ray化に際しても、少しでも甘いトランスファーだったり圧縮による破綻があればよりCGっぽく見えてしまい興ざめだが、そこはクライテリオン、そんな心配は全く無用だった。
特典のメインは詳細なドキュメンタリー"The Curious Case of Benjamin Button"(英語、フランス語、スペイン語字幕付)。作品構想からプレミア上映まで、製作過程に沿って4つのパートに分けられ、映画製作の一連の過程すべてを網羅した内容だ。3時間ほどの長さがあるが興味のある部分だけでも抑えておきたい。"Third Trimester"のパートで出てくる、別の俳優が演じたベンジャミンにブラッド・ピットの顔を合成させる最新のヴィジュアル・エフェクトに関するところは必見。70代の老人をどうやってブラッド・ピットが演じたのか?など誰もが不思議に思う謎が明かされる。
ほかには予告編とスティル・ギャラリー(ストーリーボード、アート・ディレクション、衣装、プロダクション・スティル)を収録。