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□ Vol. 10 □ アカデミー賞の異変がDVDリリースにも影響!? □

 映画ファンは毎年見逃せないアカデミー賞ですが、第76回(2003年度)にはちょっとした異変が起きています。

 まずは2003年秋に、アメリカ映画協会が違法コピー防止のため審査員への視聴ディスク配付を禁止する動きを見せた点です。最終的に視聴ディスク廃止案は見送られましたが、各映画スタジオが審査員に視聴ディスクを配付したのが12月末になってからと、オスカー・レース開始の遅れに繋がりました。さらには授賞式の一ヶ月前倒し。日程の変更は他の映画賞に先を越されることでの審査への影響を避けることと、視聴率向上を狙ったものと言われていますが、こういった異変がノミネートの番狂わせにもつながりました。

 作品賞などへのノミネートを逃したアンソニー・ミンゲラ監督作Cold Mountain(コールド マウンテン)は、3月の授賞式を想定して12月に公開されたため、日程が早まった分だけ宣伝期間が減少、さらに視聴ディスクの送付が遅れ、十分に作品を認知してもらえなかったのではと言われています。反対に、状況が好都合に働いたのがSeabiscuit(シービスケット)。2003年12月にDVDをリリースした際に多額を投じて大宣伝を行ったため、視聴ディスク配付が遅れた他の作品と比べて作品の印象度の点で有利だったと言われています。

 通常、オスカー狙いの大作は、審査員へのアピールとノミネート後の集客増加を狙って12月に公開されるケースが多いのですが、今後は授賞式スケジュールの変更に伴い、公開日に変化が現れることは間違いなさそうです。また、DVDリリースとタイアップしてのオスカー獲得作戦が既に進行しているとのこと。今後の米国盤DVDにも影響を及ぼすことと思われますが、宣伝よりも、より質の良いDVD製作に力を入れて欲しいものですね。第76回アカデミー賞受賞/ノミネート作品リストはこちら

(2004/02/07)


     
       


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