□ Vol. 21 □ DVDが変える!? ハリウッド映画・その2 □
劇場公開時には全く当たらなかったのにDVDがヒットして関係者を驚かせているのが、冴えないサラリーマンの会社への復讐劇を描いたコメディ"Office
Space"(リストラ・マン)という作品です。"Beavis
And Butt-head Do America"(ビーバス&バットヘッド DO AMERICA)のマイク・ジャッジ監督が、アメリカ人サラリーマンたちの姿を巧みにコメディ化、"Friends"(フレンズ)のジェニファー・アニストンも出演していますが、日本では公開すらされませんでした。アメリカでの興行成績1000万ドル(約11億円)のこの作品がDVDでは250万枚も売れ、売り上げは4,000万ドル(約44億円)にも上っています。オフィス・ネタの絶妙な面白さが話題になり、普段はコメディを観ないようなお堅いサラリーマン層にもウケているのでしょう。
さらに、TVドラマ界においてもDVDの影響は皆無ではありません。FOX
TVのアニメーション"Family
Guy"は、シリーズのキャンセルが決まった後にDVDが発売になったところ、予想外に売れ行きが良かったためにシリーズが続行されることになったり、消え入りそうだったポリティカル・ドラマ "24"(24
TWENTY FOUR)が、DVDのヒットのお陰で継続されるといった例も生まれました。"24"は物語がリアルタイムで進むため、一回の放送で物語が一時間ずつ進み、24回目でようやく一日が終わるという異色の時間設定。緊張感あふれる素晴らしいシリーズですが、1シーズンをDVDで一気に鑑賞する醍醐味は格別です。結末までに数ヶ月も待てないという理由で、TV放送よりもDVDを好む人が多いのかもしれません。ファン心理としては、好きな作品は必ず映画館やTVで観て、DVDはリリースと同時に所有したいのものですが、一方、わざわざ映画館には足を運ばないけれど、DVDで気軽に観るのもいいという作品があるというのも事実ですね。)
(2004/05/02)
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