「影武者」は1980年に公開されカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞するなど海外で高く評価されている。「デルス・ウザーラ」以来5年ぶりの黒澤映画であり、戦乱の世を格調ある映像と壮大なスケールで描いた大作だ。
当初、主演に決まっていた勝新太郎が演技研究のためと称して撮影現場に自分のビデオカメラを持ち込んだことで黒澤監督と衝突し、降板している。また費用の高騰から製作が危ぶまれていることを知ったフランシス・フォード・コッポラとジョージ・ルーカスの協力により20世紀フォックス社が海外での権利を買うに至り、コッポラとルーカスがエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ねることになった。こういった製作の背景は本ディスクに収録の特典映像「Lucas, Coppola, and Kurosawa」「Akira Kurosawa: It is Wonderful to Create」で詳しく知る事ができる。