DVDの特典収録として、オーディオ・コメンタリー（音声解説）を収録しているタイトルが数多くあります。オーディオ・コメンタリーとは、本編のオープニングからエンディングまでを監督やキャスト・スタッフが解説した音声を録音し、独立した音声トラックに収録したもの。コメンタリーはレーザーディスクにも収録がありましたが、DVDでは音声トラックの切り替えが自由なので、本編映像を観ながら制作秘話を聞くことができ、まるで監督やキャストと一緒に作品を観ているような感覚で楽しむことができるうえ、貴重な解説やちょっとしたエピソードを知ることで、作品をより深く味わうことができます。

　通常、米国盤DVDのコメンタリーには字幕が付いていないため日本のDVDファンにとっては難易度の高いものですが、好きな映画のトップに挙げたい作品や、愛して止まない俳優が参加しているコメンタリーなら一度は聞いてみたいものです。コメンタリーは、通常、参加者がスタジオで実際に作品を観ながら、作品の進行に沿って話したものを録音しますが、中にはDVDとは関係なく収録されたインタビューなどを編集して収録しているものもあります。

　コメンタリーを聞く時のポイントとして、その作品が作られた背景や参加者の略歴を予めリサーチしたり、映画雑誌のインタビューなどを読んでおくと、話の内容を掴むヒントになります。また、参加者が複数の場合は、コメンタリー冒頭の自己紹介の部分で、それぞれの声の特徴を押さえて誰の声かを把握しておくと、今話しているのは誰だか分からないなどという混乱を避けられますね。

　話の内容は、ストーリーや登場人物について、シーンやカットの意図、撮影ロケーションの説明、テクニカルな解説、参加者同士のゴシップなどさまざま。全編に渡ってコメンタリーをすべて聞いて理解するのは大変なことですが、リモコンの音声切り替えで本編音声とコメンタリー音声の切り替えも自在ですから、自分の好きなシーンだけでも選んでコメンタリーを聞いてみると、意外な裏話を聞くことができるかもしれません。