Kill Bill Volume 1 (DTS) (キル・ビル)
作品データ リージョン:1 制作: Buena Vista 映像仕様: LBX 音声仕様: DTS/Dolby Digital 5.1 Surround (English) 作品時間: 111分 画面比率: 2.35:1 CC: Yes 字幕: English,Spanish,Chinese,Japanese,Korean
鬼才クエンティン・タランティーノ監督の新作「キル・ビル Vol.1」は、監督が愛して止まないチャンバラ時代劇、香港カンフー、マカロニ・ウエスタン、ANIMEからB級ホラーまで、様々なジャンルの映画へのオマージュがたっぷり込められた、まさにタランティーノ節炸裂の一本!ユマ・サーマン扮する元暗殺団のヒロイン "ザ・ブライド" が、惨殺された愛する夫とお腹の子供の復讐のため壮絶な旅に出る・・・狙いはかつて所属した暗殺団 "DiVAS" のボス、ビル(デヴィッド・キャラダイン)と元メンバーたち -- 東京で女親分にのし上がった"コットンマウス"ことオーレン・イシイ(ルーシー・リュー)、カリフォルニアで主婦におさまっている"コッパーヘッド"ことヴァニータ(ヴィヴィカ・A・フォックス)。さらに千葉真一が沖縄で寿司屋を営む伝説の元刀鍛冶として登場し、栗山千明が仕込み鉄球を操る女子高生の刺客を怪演する。キャストの魅力を存分に引き出しながら、B級バイオレンス・ムービーを大エンターテイメントに仕立てた話題作!Vol.2の公開直前というタイミングで登場のDVDは、米国盤としては珍しく日本語字幕の収録があるから心強いことこの上なし。ディスクをセットするといきなりメインメニューに「復讐」「花嫁が来る」などの日本語が現れる。メニュー画面はProduction I.G.制作のアニメーション部分をコラージュ、もうすっかりキル・ビルのテーマと定着した布袋寅泰作曲「新・仁義なき戦いのテーマ」が鳴り響く。アメリカ劇場公開版の当DVDは(MPAA・アメリカ映画協会のレーティング・システムのもと惨殺表現を緩和する目的で)、クライマックスの「青葉屋」での激闘シーンが途中でモノクロに切り替わるが、単なる白黒ではなくライティングをより意識した、コントラストの強いモノクロ映像になっている。カラーでは文字通り血の海と化していくこのシーンが突如モノクロになることで、日本の古い時代劇やフィルム・ノワールへのオマージュとも感じられるまた違った趣を生んでいることにも注目したい。本編の言語仕様としては、英語DD5.1ch、英語DTS5.1ch、フランス語DD5.1ch、日本語字幕、英語字幕、英語CC、中国語字幕、韓国語字幕、スペイン語字幕を収録。2.35:1アナモルフィックの映像は、スーパー・クリアーな最近のハリウッド大作と比べると決して際立ったレベルではないが、全般的にはすこぶる良好と言える。強い色彩コントラストが意図されたシーンでは鮮明なカラーを再現。ザ・ブライドとオーレン・イシイの対決シーンでの陰のディテールは秀逸な仕上がりだ。DTS音声は、血しぶきの勢いや日本刀のぶつかりあう金属音の質感がリアル。サラウンドや低音も攻撃的に活躍する迫力のサウンドトラックで、文句なしの満足度だ。本編以外の特典映像には、22分ほどの "メイキング・オブ・キル・ビル Vol.1"、作品中に登場のバンドTHE 5, 6, 7, 8's による "I'm Blue" と "I Walk Like Jayne Mansfield" の演奏シーン、"Kill Bill Vol.2" を含めタランティーノ全作品の予告編を収録。みどころは監督やキャストがインタビューに答えるメイキング(字幕なし)。監督自らが興奮気味に語る「影の軍団」や「修羅雪姫」からの影響の部分では、それぞれの作品からのクリップも挿入されているが、こうして元ネタを明らかにしてしまうのもタランティーノ流だろう。日本ロケの帰りがけ、空港内のショップで偶然かかっていたTHE 5, 6, 7, 8's があまりにクールだったため半ば強引にCDを買い取ったいきさつなど、ちょっとしたエピソードにもタランティーノらしさが存分に感じられて楽しい。中国語、英語、日本語それぞれの通訳が必要だったというロケシーンも含まれている。満を持して登場した待望のタランティーノ新作。タランティーノ・フリークはもちろんのこと、英語だけでは難しすぎるという方にも日本語字幕でのアメリカ公開版の鑑賞をお勧めしたい。*リージョンは北米向けのリージョン1限定のため要注意。
2004/04/08
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