1971年、スティーヴン・スピルバーグが23才で手がけたTVムービー"Duel"(激突!)。それまでスピルバーグは 「刑事コロンボ/構想の死角 "Murder by the Book"」など数本のTVドラマを撮っていたが、本作品が高く評価された結果、アメリカ国外で劇場公開されるに至り映画デビューを飾った伝説的な出世作だ。
特典収録で注目すべきは、スピルバーグが当時を振り返る35分ほどのドキュメンタリー"A Conversation with Steven Spielberg"。本作品の誕生秘話、撮影進行の詳細が映像とインタビューで綴られている。当時、野心に燃えてどんなチャンスでも掴もうとしていたというスピルバーグが監督を務めることになった経緯から始まり、キャスティング、トラック選び、プロダクション・マネージャーからのプレッシャー、詳細な撮影マップ、走行するトラックのスピードを増して見せるテクニックなど、撮影の舞台裏とテクニックがふんだんに語られている。10日という期限の中でのオールロケ撮影に加えて(実際には13日ほどかかったと語られている)、3週間ほどの編集期間という、一切の無駄や撮り直しの許されない状況でこれほどの作品を仕上げていった背景を知ると、いかにスピルバーグの才能のすべてが凝縮されているかが伺える。また、スピルバーグが監督を務めたTVシリーズを紹介する9分ほどの" Steven Spielberg on the Small Screen"には、TV作品からの貴重な映像の一部をリマスターで挿入。ほかには原作者のインタビュー"Richard Matheson: The Writing of Duel"(9分)、スティル・ギャラリー、海外での劇場公開予告編、キャストとスタッフ・フィルモグラフィー、プロダクション・ノートを収録。