A  Bout De Souffle: Studio Canal Collection (Blu-ray-FR)
(勝手にしやがれ）

作品データ
リージョン：ALL
制作： Studio Canal
映像仕様： 4:3
音声仕様： DTS HD 2.0 Stereo (French), DTS HD 2.0 Stereo (English), DTS HD 2.0 Stereo (Spanish)
作品時間： 90分
画面比率： 1.33:1
CC： No
字幕： English,Spanish,Portuguese,German,Dutch,Turkish,Japanese

2009年秋から、スタジオ・キャナル・コレクション (Studio Canal Collection) シリーズとして、ヨーロッパ盤、アメリカ盤Blu-rayが登場している。タイトルは主にまだ日本でBlu-ray化されていないラインナップ。なかでも日本語字幕が収録されている作品は、日本のコレクター必携のアイテムだろう。それぞれイギリス盤、フランス盤、ドイツ盤、そして一部米国盤で発売済みだ。
もちろんDVD Fantasium でもすべて取扱中。Blu-rayの中でもトップセールスを記録している定番シリーズになっているので、今回はまとめてご紹介。

The Elephant Man: Studio Canal Collection (Blu-ray-UK)
「エレファント・マン」
巨匠デヴィッド・リンチ監督製作による、19世紀末のロンドンを舞台に“象人間"と呼ばれた奇形の男ジョン・メリックと彼の主治医となる外科医の交流を描く名作。主演のジョン・ハートは本作でオスカーにノミネート。
＊ドイツ盤も取扱中。

3 Days Of The Condor: Studio Canal Collection (Blu-ray-GR)
「コンドル」
アカデミー監督賞のシドニー・ポラック監督と名優ロバート・レッドフォード主演により、CIA による陰謀とその渦中に放り込まれた男の逃走を描いたサスペンス・スリラー。ニューヨークにあるCIAの下部組織で起きた襲撃現場に居合わせなかったため命拾いをしたコードネーム“コンドル"は、連絡を取り合ったCIAの上司に突然銃口を向けられる…。

The Deer Hunter: Studio Canal Collection (Blu-ray-UK)
「ディア・ハンター」
マイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ主演のアカデミー賞受賞作。ベトナム戦争の狂気が青春や友情、そして愛までも変えていくさまを真っ正面から描く。前半の青春群像描写と対比させたリアルな戦闘シーンが戦争の不条理を強烈に訴えている。
＊ドイツ盤も取扱中。

Die verlorene Ehre der Katharina Blum: Studio Canal Collection (Blu-ray-GR)
「カタリーナ・ブルームの失われた名誉」
夫婦ともにドイツを代表する監督であるフォルカー・シュレンドルフとマルガレーテ・フォン・トロッタの共同監督による、マスコミによる暴力を描いた記録的ヒットドラマ。一夜を共に過ごした男がギャング犯だったことから、カタリーナは機動隊に拘束、苛酷な取り調べを受ける。
＊UK盤も取扱中。

Last Year At Marienbad: Studio Canal Collection (Blu-ray-UK)
「去年マリエンバートで」
アンチ・ロマンの旗手アラン・ロブ＝グリエの脚本をアラン・レネ監督が完璧な映像美で映画化した不可思議な寓話。社交界の人々が集う城館で出会った女に「去年マリエンバートで出会った」と告げる男。ドラマの因果律や時間から解き放たれた映画的時間の中で愛が静かに進行してゆく。
＊ドイツ盤も取扱中。

Contempt: Studio Canal Collection (Blu-ray)
「軽蔑」
ジャン=リュック・ゴダールがアルベルト・モラヴィアの小説をブリジット・バルドー主演で映画化したアート・ドラマ。フリッツ・ラング（本人）が監督する新作のシナリオ書き直しを依頼された劇作家は、打ち合わせ後、自分を情熱的に愛していた美しい妻が理由が分からぬままに冷たくなった事に気がつく。
＊UK盤も取扱中。

The Ladykillers: Studio Canal Collection (Blu-ray)
「マダムと泥棒」
アレック・ギネス、ピーター・セラーズやハーバート・ロムなどのイギリスを代表する芸人たち主演によるコメディ。下宿先のお節介な老婦人に邪魔されながら、五人の男たちが計画していた犯罪の実行を試みる。

A Bout De Souffle: Studio Canal Collection (Blu-ray-FR)
「勝手にしやがれ」
ジャン＝リュック・ゴダール監督による、フランス・ヌーヴェル・ヴァーグの駆け出しとなった最高傑作アート・ドラマ。警官を殺してパリに逃げて来たアナキーな生活をおくる自転車泥棒のミシェルを取り巻く物語。ジャン＝ポール・ベルモンド主演。

Pierrot Le Fou: Studio Canal Collection (Blu-ray-UK)
「気狂いピエロ」
「勝手にしやがれ」で新しい映画の世界ヌーヴェル・ヴァーグの誕生を告げたジャン＝リュック・ゴダール監督による、破滅へと逃避行を続ける男女の旅を刹那的に描いた名作アート・ドラマ。ジャン＝ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナが共演。
＊UK盤も取扱中。

同コレクションはまずセンスの良いケース仕様が目を引く。欧州盤はパステル用紙のような凹凸のある紙カバーに淡い色合いのデザインを加えたブック型仕様で統一。ブルーレイというより本の装丁に近いと言える。ブックを開くと左内側のポケットにブックレット、右側にディスクが収納されている。
米国盤はブルーのトールケースに欧州盤と同じような質感のスリーブが付いており、こちらもブックレット付。ハイセンスのデザインやブックレットといった付属品は、ファンには十分コレクション欲をそそるものだ。

タイトルによっては数カ国で発売になっているがディスク内容に相違はないため、たとえば「気狂いピエロ」ならば、やはりゴダールはフランス語のタイトルでないとしっくりこないという方もいるだろうし、ブックレットを英語で読みたいからすべて英語で書かれているUK盤がいい、といった理由で選ぶ方法もある。

米国盤の「軽蔑」と「マダムと泥棒」は、再生するとメニュー画面から日本語仕様になるタイプ。それ以外はすべて最初に言語選択メニューが表示されるので、リストの中から「日本語」を選択して再生すれば日本語メニュー画面に。

これまで発売済みのタイトルだけでもずらりと並べてみれば、まさに愛蔵コレクションと呼ぶにふさわしいゴージャスなラインナップ！スタジオ・キャナル・コレクションは今後も継続してリリースされる予定で、まだまだ日本語収録ディスクが出てくる可能性も高いからぜひ期待したいところだ。

Blu-rayディスクならではの大容量による高画質はもちろん、音声は作品によってDTS5.1または2.0マスター・オーディオが基本。安定してクリアーでクリスプな音に仕上がっている。また豊富な特典収録も、スタンダードDVDで観てしまったものばかりではないから要チェックだ。もちろん特典も日本語字幕付で楽しめる。またすべてリージョンA対応のため日本の機器でも再生が可能。

同シリーズからは今のところ唯一の邦画作品である黒沢明監督作 "Ran: Studio Canal Collection (Blu-ray) "（乱）も出ているので、ぜひこちらもコレクションに加えたいところだ。UK盤も取扱中。

2010/05/04