ヒッチコックの後継者を自認する、鬼才・ブライアン・デ・パルマによるサスペンス・ミステリーの異色作。一部に熱狂的なファンを持つデ・パルマ監督独特の暴力と過激なエロチシズムの世界が展開する。劇場公開から20年経ってもスリル感たっぷりで鑑賞できるのはさすがである。特に、MGMからリリースされたこのDVDでは、"Unrated Version"(ノーカット版)を鑑賞して欲しい。同じく収録されている"Theatrical Version (R rated)"(R指定版)より数倍恐ろしく、ケイトの心情の理解がより深まるのはUnrated版ならではである。
また、このDVDには様々な特典映像が収録されているが、見逃せないのが"Unrated, R-Rated and TV Rated Comparison"。ここでは画面の上下でR rated版とUnrated版のカットを同時に見比べる事ができ、R RatedとUnratedの違いがよくわからない、という人でもわかりやすいように解説されている。冒頭のアンジー・ディキンソンのシャワーシーンはもちろん、かなり重要なシーンがカットされたり編集されたりしているのが一目瞭然。特にTV版の物足りなさが目立ち、決してTVでは味わえない作品であることを実感させられる。また、R rated用のセリフの変更なども興味深い。